中国旅行添乗員レポート

VOL.7 2010年9月22日発  8日間
北京-ウルムチ-カシュガル-ホータン-ニヤ-沙漠公路-クチャ-ウルムチ-北京
NHK学園海外スクーリング シルクロードを訪ねて ~タクラマカン砂漠縦断の旅~

1日目
成田

北京

ウルムチ
2日目
ウルムチ

カシュガル
3日目
カシュガル

ホータン
4日目
ホータン

ニヤ
5日目
ニヤ

沙漠公路

クチャ
6日目
クチャ

ウルムチ
7日目
ウルムチ

北京
8日目
北京

成田



 5日目:ニヤ→沙漠公路→クチャ
   朝食をホテルでとった後、いよいよ沙漠を縦断するため出発です。
昨日の大雨は既に止み、まだ雲が残るもののところどころ青空ものぞいています。

普段ならば乾燥している空気がしっとりと潤っているのを心地よく感じながら、バスは沙漠公路の入り口へ。ちょうどその時、既に後方になった崑崙山脈が雲の間から顔をだしてくれました。
砂漠公路入口(ミヤ側)

万年雪を湛えた秀麗な山並みが青空の下にはっきりと見えます。私達は沙漠公路の入り口でバスを止め、暫くの間撮影タイムをとりました。雲が風に流され青空が広がっていくにつれ、太陽の光が雪化粧を反射し、眩しいくらいです。ふと空を見上げれば白い月がぽっかりと浮かび上がっています。冠雪した山脈に金色の沙漠、雨に洗われ抜けるような紺碧の空に浮かぶ白い月と沙漠の片隅に大きく広がる雨水を湛えた透明な池――普段日本では目にしない幻想的な風景にシャッターを切る音も絶え間なく、いつまでも眺めていたい風景ではありましたが、全長500キロを越える砂漠公路を乗り切るためにはのんびりは禁物です。美しい風景に後ろ髪を引かれつつ、私達はバスに乗り込み沙漠へと入っていきました。

砂漠公路の空
砂漠公路の空

 沙漠公路は南疆の大部分を占めるタクラマカン沙漠を崑崙山脈の麓から天山山脈の麓へと南北に縦断している道路で、国道ではありません。タクラマカン沙漠には油田があり、ちょうど真ん中付近に位置しこの道路唯一の休憩ポイントでもある『塔中』に採掘場所を持つ石油会社が、石油を運搬するために作った道路です。
管理も国ではなく会社に任されています。道路の両側には道路を砂から守るために緑が植えてあり、等間隔で管理小屋が建っているのが見えます。管理小屋には石油会社から雇われた管理人が住んでおり、道路と緑の管理を任されています。青々と生い茂る緑は地下に通された穴の空いた水道管から漏れ出す水によって成長するそうですが、昨晩の雨のおかげで緑の色もいっそう活き活きとして見えました。

さて、このタクラマカン沙漠ですが、昨日まで見てきたゴビとは違いさらさらの砂で出来ています。日本人にとって「沙漠」といいますと即ち「砂」漠ですが、ひとくちに「沙漠」といっても実際にはいくつか種類があります(但し、諸説あります)。昨日まで目にしてきた小石など礫ばかりの不毛の大地も「沙漠」です。日本では「ゴビ沙漠」と呼ばれているものですが、これも「沙漠」の一種。沙漠公路の周囲を取り囲む黄金の砂丘は「砂沙漠」です。この他にも塩分が多く地表に白く塩の塊が浮き出た「塩沙漠」、泥に近い成分ばかりで出来た「泥沙漠」などいくつかありますが、砂沙漠ほど美しいものはないと思わせるほどタクラマカン沙漠の砂は細かく、金色に輝いて私達に感動を与えてくれました。
タクラマカン砂漠
平坦ではないタクラマカン沙漠では丘陵地帯のように上ったり下ったりを繰り返すのですが、急な坂を登りきり車が下降にさしかかった時視界いっぱいに広がった砂丘の見事さは言葉にできません。皆様からも思わずといったように「わぁ!」という歓声が聞こえてきます。カメラをお持ちのお客様はこの素晴らしい景色を逃すまいと一所懸命シャッターを切っていました。

そうして途中、一度車を止めて沙漠を歩き体験をした後は、塔中油田の休憩所で昼食です。ちょうどお昼時を少し過ぎた頃だったのでお昼ラッシュは終わっていましたが、まだまだ人は多く食器も準備も足りていません。ガイドの楊さんと必死に食器をかき集め、皆様にお配りした頃にはだいぶ人も引き、食事もスムーズに出てきたのでほっとしました。

 食事の後はまた沙漠公路をひた走ります。
砂また砂の景色に少し飽きてきた頃、講師の堀内先生からミニ講義をしていただきました。普段皆様が仏教に関して疑問に思っていること、不思議に思っていることなど、ごく些細な質問から壮大な質問まで先生が丁寧に答えてくださり、普段信仰心などほとんどない私も目から鱗な時間を過ごすことができました。
 そうして有意義な時間を過ごしていた時です。ふいに楊さんの携帯電話が鳴りました。どうやら手配担当者と話しているようですが、聞いているとあまりよくない知らせの様子。電話を切った後、楊さんが「大変。今晩の歌舞ショーが見られなくなっちゃいました」とのこと。この日の夕食はクチャにて有名なクチャ伝統舞踊ショーを見ながら食べることになっていました。ところが、政府の役人がショーを見ることを決めたらしく、急遽一般人は立ち入り禁止となってしまったのです。中国では時々こうして前触れもなく政府によって施設が徴用されてしまうことがあるのですが、今回運悪く舞台が徴用されてしまったのでした。皆様にそのことを説明し謝罪したところ、皆様からは「あなたが悪いわけじゃないから」と暖かい言葉をかけていただき、今晩はもっと美味しいところで食べましょう、と約束して沙漠の出口に向かいました。
 沙漠公路を抜けたのはもう太陽が西に傾いた頃です。雄大な沙漠に別れを告げ、私達は藍色の空の下、油田開発で潤うクチャの街に入りました。今晩のホテルはクチャでも一番立派で新しいホテル「クチャ国際酒店」です。真っ白な高層ホテルはロビーも体育館ひとつ分くらいゆとりのある作りで、電気も惜しみなく使い、眩しいくらいです。私達はチェックインを済ませ部屋に入った後、ホテルの2階にあるレストランで楊さんお勧めのウイグルで今一番美味しいというワインを飲みながら、久しぶりにウイグル料理ではなく中華料理を楽しみました。
     
↑ページTOPへ ≪4日目へ ・ 6日目へ≫



添乗員レポートTOPへ戻 る

(C) 2011.All Right Reserved. 日中平和観光株式会社